転職するときには、履歴書や職務経歴書に、そして面接など自己PRをする場面が多くあります。
そもそも自己PRとは、何を伝えれば良いと思いますか?
簡単に言えば、自己PRとは「自分自身を売り込むこと」ですから、志望企業でいかに自分が活躍できるかを売り込むために、自分の良さをアピールするということなのです。
そして、自分の良さというのは、「人より優れていること」や「魅力的なところ」などで、いわゆる「自分自身の強み」と呼べるべきことがらです。
人事採用において、コミュニケーション能力は、仕事に欠かせない能力ではあるけれど、「コミュニケーション能力が強み」とだけ伝えるのでは、評価されないと良く耳にします。
今回は、それが一体どういうことなのかをご説明していきましょう。
コミュニケーション能力が強みというのは、どこがNGなのか?

コミュニケーション能力とは、人と人とのコミュニケーションにおいて必要なさまざまな能力を意味します。
つまり、「コミュニケーション能力」という言葉の意味する範囲が広いことから、具体的に能力の内容が伝わらないのです。
それでは、転職活動の自己PRにおいて、コミュニケーション能力をアピールしたいときは、どのように伝えると良いのでしょう。
コミュニケーション能力の大別
コミュニケーション能力には、大別して「聞く」「伝える」「連携する」という3つの能力に分けられます。
相手の話をよく聞き(傾聴力)本音を引き出すのが得意な人、スピーチやプレゼンテーションが上手な人、社内外のスタッフへの根回しをする調整(連携)に長けている人など、それぞれタイプは異なりますが、これらすべて「コミュニケーション能力」に属します。


例えば、あなたが聞くことが得意ならば、相手の本音を引き出し利害調整する力があるかも知れません。
伝えるのが得意ならば、自分の考えを相手に伝える話術、そしてそれを論理的に分かりやすく伝える力があるかも知れません。
調整するのが得意ならば、相手の表情や態度から相手の感情を把握して考えを理解する力があるかも知れません。
このように、「コミュニケーション能力」と言っても、その言葉が意味する範囲は多様にあります。
コミュニケーション能力には、具体性が必要
採用側からすると「コミュニケーション能力がある」とアピールされても、抽象的で漠然とした言葉にしか伝わらず、良し悪しの判断がつけられないのです。
すなわち、自己PRでコミュニケーション能力があるとだけアピールしても、具体的に、どのようなコミュニケーション能力があるのかを採用側に伝えないと、選考のスタートラインに立つことが難しくなります。
そのため、自分が強みとしているコミュニケーション能力とは、志望企業の業務上どのような場面で発揮されるかを考えて伝えることが必要です。
業務上、必要なコミュニケーション能力
どのような職種でもコミュニケーション能力は、歓迎される能力ですし職務内容によって、その力が発揮される場面はさまざまなカタチで活用されます。
たとえば、下記のシチュエーションにおいて活用されることがあります。
- 顧客に自社の商品やサービスの魅力を伝える能力(プレゼンテーション力)
- 新しい見込み客を獲得していく能力(営業力)
- 利害関係のある様々な立場の関係者に、協力を得るための能力(折衝能力)
- チームとして成果を出すためのマネジメント能力(リーダーの資質)
- 親身になって相手の考えや悩みの本質を見極める能力(傾聴力)
- 顧客の要望を真摯に受け止め対応する能力(クレーム対応力)

このように、「コミュニケーション能力」と言っても、さまざまシチュエーションでコミュニケーション能力を使い分ける必要があり、またあなたが得意とするコミュニケーション能力がどのような「力」なのかを見極めていきましょう。
コミュニケーション能力を強みという場合の適切な伝え方
自分が伝えたい「コミュニケーション能力」とは何かを自己分析して、自分なりの言葉で表現することが重要です。
そのためには、志望企業が業務上求める「コミュニケーション能力」とは、どのような能力を必要としているかを調べて、自分の強みを掘り下げその能力をどのように志望企業で活かしたいのかをまとめておきましょう。
その能力を紹介するときは、簡単なエピソードを交えることで、「あなたにその能力がある」ということを採用側は確実に捉えてくれるはずです。
まとめ
転職時に、自身の強みを「コミュニケーション能力」と、そのまま伝えても実際にはその「強み」がどのようなものかは伝わっていません。
「コミュニケーション能力が強み」と自己PRしたいときは、その能力がどのようなコミュニケーション能力なのかを伝え、根拠となる具体的なエピソードを伝えることをおすすめします。
このエピソードを伝えることで、あなたの自己PRに信憑性が高まり、採用側はあなたという人物像とその能力を理解してくれることでしょう。